2011年9月25日日曜日

訓練生活~クロスカントリー編~

こんにちは
五期生の佐山です。
今日は同じ五期生の中村君にクロスカントリーについてインタビューしてにました。


佐山:最初にクロスカントリーというのはどういったものなのでしょうか?

中村:クロスカントリーというのは普段の訓練では行かないような遠い所までフライトする訓練です。大体、50NMから250NMくらい離れた空港まで行きます。

佐山:どのような所に行けるんでしょうか?

中村:いつもの訓練と違う日本食の美味しいセントポール空港(248NM)や港町で綺麗なデュルース空港(210NM)など素晴らしい経験が出来ます。



DULUTHの綺麗な建物




日本食の美味しいOSAKAという日本料理屋さん


佐山:なるほど、というと普段の訓練とはどういった点で異なっているのでしょうか?

中村:そうですね、まず準備量が異なります。クロスカントリーの訓練の最大の目的は安全に目的地まで時間通りに到着できるかどうかということです。その為、天気を見て到着予定時刻の計算も事前にします。

佐山:到着予定時刻どおりに着くものなのでしょうか?

中村:いやー、やはり予報された風とその日の天気が異なる事もあるので、速度が変われば到着時間も変わってしまうので、ある程度のズレは出てしまいます。しかし、大幅に遅れてしまうと捜索救難が開始してしまうので計算はしっかりしないといけません。

佐山:計算もしっかりとやらないと大変なことになってしまうんですね。
なにかクロスカントリーに関する失敗談とかはありますか?

中村:お恥ずかしいですが、目的地の空港で休憩中、日本料理屋さんで天ぷらが出てくるのが遅て出発が遅れてしまい、その日中に帰ってこれなくなり、滞在する事になってしまいました。教官から怒られてしまいました。
でもなかなか良いホテルに泊まれて楽しい経験になりました。時間管理はパイロットにとって致命的ですからね。



ホテルでの優雅な朝食



佐山:他には何か隠していませんか?(失敗談で)笑

中村:すみません。もっとお恥ずかしい話ですが、急にトイレに行きたくなってしまって、飛行機なので持っていた容器を活用して緊急措置を取りました。汚い話ですみません。(泣)ちなみにこれが私の初めてのreal emergencyです。笑



上空から見たBEMIDJI 空港


佐山:(苦笑)まあそういった失敗が中村くんを成長させてるということですね!?
ところで私生活でなにかパイロットとして励んでいることはありますか?

中村:食生活には気を配っております。アメリカだと外食では肉中心ですので、栄養が偏ったりしてしまいます。
そこで、なるべく自炊をしたり、サプリメントを活用しております。あとは運動も適度に仲間とサッカーやバスケットボールをします。

佐山:自炊をするときはどのような料理をつくるのでしょうか?

中村:ハンバーグやパスタなどごく普通の料理ですね。魚料理もやりたいのですが、種類があまりないので日本とは勝手が違うのを実感します。
色々な食材があってスーパーでの買い物も楽しいですね。

佐山:日本とはさまざまな違いがあると思いますが、アメリカに来てからできた悩みなんてありますかね?

中村:やっぱり、言語の壁はかなりありましたね。最初の頃はタクシーを呼ぶのもタジタジでした。ですが半年程こちらに生活していると自然と耳も慣れてきて、教官の言っている事もなかなか理解できるようになってきました。でもペラペラ喋れるほど上達はしないのでもっと日本で勉強しておけば良かったと後悔しています。



クロスカントリー(長旅)を終えたセスナ172S


佐山:言語の壁は厚いようですね。日々フライトや私生活さまざまな困難に立ち向かいそして乗り越えてきたと思うのですが、そのコツというのはなにかありますか?

中村:訓練で失敗したり、落ち込んだ時でも常に自分の目指しているものは何か、今何をすべきということを常に考えて前向きな気持ちで失敗を次に活かそうとする精神状態でいることだと思います。絶対にあきらめないで夢を追い続ける事が非常に大切だと思います。偉そうなこと言ってすみません。

佐山:すばらしいお言葉ですね。やはり自分の夢、目標を見失わないことはたいせつですね。
そして中村くんはチャレンジャーであり失敗こそが訓練では成功であり、多くの失敗の経験が最終的に安全になるというその考え方はとても勉強になりました。
私も中村くんのように失敗を恐れずに明日からの訓練に励もうと思います。
今日はありがとうございました。

中村:こちらこそありがとうございました。



2011年9月4日日曜日

Cockpit View...

こんにちは。

現在は訓練の方が一番忙しい時期で、皆毎日準備して空港へと足を運んでいます。
しかし、ここグランドフォークスではあと1ヶ月もすれば気温が0度まで下がり雪が降ることもあるというので驚きです。
飛べない天気、というのもとても勉強になりますが、飛べる天気というのは本当にありがたいです。
とはいえ、毎日のように雷雲が発生するので、夏でも飛べないことは多く、天気に関しては学ぶことがたくさんあります。

 この写真は朝6時頃、アパートから。
放射霧、というもので、東京に住んでいた頃は経験ありませんでしたが、こちらに来てからは何度かあります。写真は少しマシだけれど、この30分前くらいには、前方に写っている建物すら見えませんでした。

雨の日のC ramp。
この日は一日通して天気の悪い日でした。
雨の日というのはたいてい風や雲底の条件も悪く飛べない事が多いですが、管制官の指示に常時したがって飛ぶIFRという飛行方式であればこんな天気でも飛ぶことがあります。
VFRという、機外目標を主に飛ぶ方式のフライトは、この日ほとんどキャンセルになってしまいましたが、それでも、天気が良くなればいつでも飛ぶことできるように、Line、mentainanceの方々が航空機を万全の状態にしてRampに並べてくれていました。

パイロットは空を相手にする仕事であるともいえると自分は考えています。
もちろん上記のような天候に苦戦することもあれば・・・・・・・


こんな綺麗な空に出会うこともあります。
この日はグランドフォークスから120kmぐらいのところにあるDevils Lakeという空港まで飛びました。(東海道新幹線で東京~富士山の見えるところ、くらいの距離でしょうか)

あまりに綺麗な夕日だったので、教官にコントロールを持ってもらい1枚とらせていただきました。
じっくりみとれている余裕はありませんが、コックピットからの景色は本当に贅沢だなと思います。

今では、You have flight control/I have flight control という言葉を教官と交わすのがあたりまえの日常ですが、去年までは映画ハッピーフライトやキムタク主演のドラマGOOD LUCKなんかをみて、かっこいいなーと憧れるばかりだったのを思い出します。


右の写真はいつもみている計器の画面。
 右に表示されている10520というのが高度です。
feet単位なので、メートルに直すと約3000mです。
わかりにくいですが、ちょうど与圧、酸素なしで飛行できる高さの限界より少ししたというところでしょうか。
この日ではありませんが、計器飛行の練習をと、暑さしのぎ(?!)をかねて、こんな高くまで上がりました。
地上が30度、この高さは氷点下だったので、涼しくて心地良い・・・
・・・・を通り越し暖房を入れました^^;

※自分たちがいつも乗っているセスナ172冷房がありません・・・・汗




飛べる天気、飛べない天気、いろいろあります。
でも一番大事なのは、一度飛びたったらちゃんと地上に降りてくるということ。
そのためにまだまだ、学ぶことがたくさんあります。


ではでは


posted by 福島