私たちはVFR(有視界飛行)という外を見て飛行するときに、よく町や湖など特徴的な地上物標を見ながら現在地を確認して飛んでいます。この物標の選定は見慣れているグランドフォークス周辺ならまだしも、クロスカントリーで行ったことのない場所へ行くときはかなり重要になります。普段はセクショナルチャート(飛行機用の地図)とGoogle Earthを活用して選んでいます。そういった作業の中で興味深い地名を見つけたのでいくつか紹介したいと思います。
まずはThief river falls UNDの訓練空域内にある空港の一つです
日本語に直訳すると「盗人の川」でしょうか。Wikipediaによると、ここの地域にもともとあった部族の土地をダコタ族が徐々に占有した(盗んでいった)ことに由来するそうです。
次にDevils Lake ここはクロスカントリーでよく行く空港です。
日本語に訳すと「悪魔の湖」。Wikipediaによると、もともとスー族(UNDのロゴや愛称に使われています)の土地で、mni(water) wak'an(spirit) 魂の水と呼ばれており、初期のヨーロッパ人入植者が原住民に"mni waka'n chante" chante(bad) 「mni waka'nは高い塩分濃度により飲用には適さない。chanteだ。」と言われ、これをmni-waka'n-chanteと一つの単語の意味であると思いそのまま翻訳してしまったためであるそうです。ちなみにwaka'nは湖面にたまに現れる蜃気楼を見て、付けられたそうです。
また、非常に覚えやすい地名があります。
なんと、Tokioです。読み方もトーキョーです。
これは、グランドフォークスからデビルズレークに行くときにあります。まだクロスカントリーに慣れてない頃にこの地名を見つけ、地上物標に選んだもののとても小さい集落で見つけるのに非常に苦労しました。この言葉はもともとダコタ族の言葉"toki"(gracious gift)から来たものだそうです。しかし、現地の人でも日本の東京から名付けられたと思っている人もいるそうです。
次に、おもしろい地上物標を紹介します。
まずはこれ
大きな湖なのですが、何かの動物に見えるはずです・・・
馬に見えるでしょうか?湖の名前もズバリ、Horsehead lakeです。ノースダコタ州の首都ビスマルクとジェームスタウン(クロスカントリーでよく行く空港)の間にあります。また、グランドフォークス空港はUNDの訓練機でごった返すため、グランドフォークス空港の空域に近づく際に報告しなければならない地点がいくつかあります。その中に、”ケリータワー”と呼ばれる電波塔があります。この塔は細くて小さいため非常に見つけにくいです。なので東海生はその隣にある、ある湖を使ってこのケリータワーを見つけます。それがこれです
ゲームが好きな人には何かに見えてくるはずです。
これです
東海生や一部の教官はこの湖をパックマンと読んでいます。私はこのパックマンに何度もお世話になっています。
これから始まる、日本用のJCAB課程ではGPSなどの機器が使えず、全て視界からの情報を頼りに飛行コースを飛ばなければいけないこともあるのでこれらが非常に重要になってきます。残りあと数ヶ月、事業用操縦士としての自覚を持ち、より気を引き締めて訓練しなければならないと感じました。 戸張