2012年1月11日水曜日

SPIN

こんにちは、こんばんは あけましておめでとうございます

ただいまFAAの単発事業用課程を訓練しています。
その訓練の中でSpinというものがあります。
Spinとは、stall&yawとパイロットの中では言われていますが、翼が失速した状態で機体がひとりでに回転してしまう状態をいいます。

この訓練では自分で実際にスピンを入れ、回復まで行います。
訓練を行うには機体のカテゴリーが限定されており、より多くの重力に耐えられるUtilityまたはAcrobatのカテゴリーの機体に限定されています。

そしてUNDでは、Acrobat機であるSuper Decathlonを使用しており、わずか860kgの機体に180HPものエンジンを積んでいます。
訓練では、パワーオン(スロットルを入れた状態)、パワーオフをの状態でのスピンを左右計4回行います。
この訓練でかなりダウンする人も多いらしいのですが我々はなんとか持ちこたえることができました。しかし、地上に戻ってきたときは-10度以下の気温にもかかわらず全身汗だくでした。
アメリカにはアクロバットの大会があるのですがUNDは毎回上位に入賞しており、このスピン訓練もそのパイロットたちと行います。

ちなみに教官によってもスピン訓練の内容は異なり、小川&福島の教官の場合はスピンのEntry(=回復操作がしやすい状態)とDeveloped(=回復がしづらい状態)からの回復操作の練習をしました。
後者のスピンでは、飛行機がスピン軸というものに従って勢いよく回転しているためより回復が困難になる上に、パイロット自身にも多くのGがかり、身体感覚も惑わされるのでより難しくなります。


 
↑スロットルをオフにした状態でピッチを上げてストールの状態に。
その後機体が傾きスピンに入ります。
(訓練の時はより効率よくスピンを行うためわざとコントロールを一杯まで引いて、さらにラダーを踏んでスピンに入れます)

 
 ↑スピンの後に教官に頼んで行なってもらったアクロバットのデモンストレーション。
逆さ向きに水平飛行したあとは、真上に向かって飛行し、その後真下に向かって飛行しています。(※後者はハンマーヘッドというマニューバーです)



ちなみに実を言いうと、自分は訓練に入る前はジェットコースターが苦手で、スピンやストールに耐えられるかどうか実はとても心配でした・・・・^^;
ですが!
訓練に入ると、一番最初のプライベート課程の3回目のフライトでストールを経験します。
そのときはどうなるかと思いましたが・・・・・
結果からいうと・・・・全く平気です!
不思議なことに。
自分がコックピットにいるからでしょうか・・・。
自由に空を舞うというのはこれか!というのがこのフライトの感想で本当に楽しかった!
聞くと見るとは大違いといいますが、abnormalやemergencyの事態を実際にこうしてシュミレートできるのは本当にいい経験になりました。
(by福島談)

パイロットにはなりたい、でもそれが不安・・・・という人もいるのではないかと思います。
が、勇気を出して一歩踏み入れてみると世界が変わります!

気がつけば自分たちも2年前のちょうどこのころセンター試験に必死になっていました。
残り1週間もきっていますが、受験生のみなさん、頑張ってください!
そこを乗り越えてまた2次試験と続きますが、パイロットの世界では最後まであきらめないことが重要という言葉を何度も耳にします。
私もその言葉に何度か助けられました。皆さん是非東海大学16号館で会いましょう。

スピンフライトを終了後のりゅうたろう



posted by 戸張&小川&福島